記 事
大洋手袋製造有限公司インター 深セン新工場スタート
順調第2期工事も着手他杜の中国進出支援

【上海支局=稲田拓志】バッグメーカー、大洋手袋製造有限公司(本杜大阪府堺市)の中国・深センの新工場が順調なスタートを切った。
今年の旧正月明けから稼働し、8月の出荷額は旧工場時代を含めて中国生産の過去最高を記録。
前年同月比でも60~70%の増加となった。
生産効率の向上、イタリア素材の使用による単価アッップなどが要因。
新工場の敷地内ではすでに第2期工事が始まっており、シューズメーカーなどの中国進出を受け入れる方針だ。
大洋手袋製造有限公司はバッグのOEM(相手先ブランドによる生産)を主な業務としている。
中国進出は89年からで、深センでバッグの生産を手がけてきた。
旧工場は賃貸物件で生産工程が3棟に分かれていたため生産効率に問題があったが、設計も自ら手がけた新工場は、生産工程が1棟で完結。
生産性も向上した。
新工場は空港まで車で20分、港まで30分。
工場の前にインターチェンジが建設される予定で、実現すればさらに短縮される。
現在進めているのは第2期工事。
敷地内に3階建ての工場(延べ床面積2000平方メートル)2棟、5階建ての従業員宿舎(同)1棟を建設する予定だ。
年内に外装工事が終了する。
第2期工事については、自杜での利用ではなく、他企業の受け入れを想定している。
シューズメーカーなど、「例えば百貨店のバイヤーが来られて、当杜でバッグを見て、さらには同じ敷地内で靴も見てというように、相乗効果が見込める業種の進出を見込んでいる」(神谷高締常務)。
第2期工事の着工は来年を計画していたが、引き合いも多いことから前倒しすることにした。
同杜の販売先は目本向け60%、欧州、米国、アジア向けが40%。
今後もこのバランスは維持するが、欧州は中国製革製品に課していた輸入関税が大幅に軽減したことで追い風となっている。
そのため、今後ミラノに原材料買い付けとオーダー獲得のための拠点を設ける計画だ。
また、米国の百貨店との取引が始まったため、米国での拠点作りも視野に入れる。
中国での販売も本格化させる方針で、08年までに中国工場の売り上げの20~30%を目標に掲げている。

<繊研新聞・2004年9月25日>
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